世界的な流れを受けて、無関心ではいられないフェムテック。6月に内面美容医学財団でフェムテックについて学べる講座が開かれると聞き、受けることに。4時間という短期集中の講義ながら、講師の山口 明美さんのわかりやすい解説のおかげで、いろいろなことが腑に落ちた。女性ホルモンから月経、更年期、膣内環境に至るまでかなり密度の濃い内容に感銘。すべての女性に受けて欲しいと思えるフェムテック講座だった
長年感じていた女性「性」であるがゆえの悩み、理不尽さ。
私が初潮を迎えたのは昭和のど真ん中。当時はまだまだ女性の社会進出が珍しかった時代だ。「ナプキン」は人に見られてはいけない。生理だと知られてはならない。「生理を話題にするなんて、とんでもない！慎み深い女性は、涼しい顔で生理をやり過ごすのですよ」と言う教師もいた。冗談みたいだけど、実際私が通っていた女子校ではそれがマナーだった。病気じゃないから生理は我慢するのが当たり前。生理前緊張症候群（PMS）という言葉などは存在すらしていなかったように思う。長じて平成の時代。結婚し、子供を授かることを望んだがそれは叶わなかった。結婚から5年くらい不妊治療を受けていたが、あまりにも費用がかかるのと精神的、肉体的な負担も大きかったので5年目以降は断念。
当時を思い返すと、クリニック選びを間違えたかな？とも思う。体外受精など技術的な部分では定評のあるドクターだったが、会話はまったく成り立たない。「何を食べれば妊娠しやすくなりますか？」といった類いの質問には、いつだって「食べ物で不妊が治るなら医者はいらないよ」と鼻で笑う。そんな対応をされるのが嫌で、いつしか質問をしなくなっていた。私が不妊治療に明け暮れていた頃、友人たちは出産ラッシュ。子供を産み終えた彼女たちは、誰もが幸せそうで輝いている。と思っていたのだが。彼女たちの中には、妊娠中の夫の無理解に怒り離婚。別の友人は、育児のためにキャリアを諦めた。しばらく産後うつで苦しむ友もいた。輝かしいはずの出産は、決してハッピーなだけではなかった。
不妊治療を挫折した私は、子を持つことをきっぱり諦め「仕事に生きよう！」と前向きに取り組むのだが、生理は毎月きっちりやってくる。生理来るたびに頭痛やだるさで集中力も続かない。締め切り前日や地方取材に始まった日には、本当に泣きたかった。（妊娠しないのに、生理だけあるなんて。もうウンザリ）と生理のたびに腹を立てていた。
女性が声をあげやすい社会にするフェムテック。
性器やオリモノに関する悩みは、適当な記事のせいでより深みにはまってしまう女性も多いと聞く。近年、女性の社会進出は目覚ましい。起業家も年々増えている。生理や妊娠、更年期などが活躍の足かせになってはいけないと心から思う。
このような背景の中、フェムテックが世界的な流れになっていくことは大変喜
ばしい。フェムテックとは、Female（女性）とTechnology（テクノロジー）をかけあわせた造語。女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品（製品）やサービスのことを指す。フェムテックの考えは「女性特有の悩みからの解放」。18世紀にはじまったフェミニズム運動に似ている。現在、欧米ではフェムテック市場が活況で、多くの事業者が生理痛の改善、月経周期の予測、妊娠中のQOL向上、不妊対策、更年期障害の改善、セクシャルヘルスなど女性特有の病気などのケアへの取り組みがスタートしている。フェムテックの市場規模は将来的に5兆円を超えるとも言われている。
フェムテックを習得することで、的確なアドバイスができるように。
うな状態なのかを知るためにも、フェムテックは必要だ。私が参加した講座では、タレントでヨガ講師でもある田中律子さんも受講されていた。ちょっと話をしたのだが、彼女もまたヨガ教室の生徒さんや適齢期を迎えたお嬢さんに的確なアドバイスが出来るように受講したのだと言う。人生100年時代、閉経後もまだまだ女性として活躍していく令和の時代。一人でも多くの人にフェムテックを知って欲しいと心から願う！
